『ハッピーバースデー 命かがやく瞬間』part1(約1800字)

ハッピーバースデー 命かがやく瞬間 青木和雄

作者:青木 和雄
出版:金の星社

「おまえ、生まれてこなきゃよかったな。」
あなたは、面と向かって誰かにこんなことを言われたらどう思うでしょうか。その人の存在を全否定する「生まれてこなければよかった」という、とても酷い言葉からこの本は始まっていました。しかもこれはこの本の主人公のあすかが、血の繋がった兄、直人から言われた言葉でありとても残酷なものでした。
藤原あすかは、どこにでもいる普通の小学生でしたが、自分の母親に愛されたくても愛してもらえないという、普通の小学生にとってあまりにも辛過ぎる悩みを抱えていましたその証拠にあすかは、誕生日に母親から何も祝ってもらえず、更には直人に言われたのと同じ「生まれてこなければよかった」という、あまりにも残酷過ぎることを言われてしまったのです。
もし、私を生んでくれた母親自身に「あんたなんか生まなきゃよかった。」などと言われたら、絶対に家を出て行くと思います。普通の小学生だったら尚更で、あすかも心に深い傷を負ってしまい、ついには声が出なくなってしまったのでした。
最近、小中学生を中心とする若者の自殺や犯罪が多く、大きな問題となってしまっていますが、それに対して、大人達はすぐに 「最近の若者は…」
と諦め半分に、あたかも小中学生がすべていけないかのように言います。しかし、実際本当にそうなのでしょうか。本当に小中学生だけの自己責任なのでしょうか。私は、違うと思います。例えば小中学生の自殺の原因は、学校等の友達関係や学校の教師達だけにあると思われていることが多いかと思いますが、親にも十分原因があると思います。自分の子供に悩み事や困っていることがあったら気付いてあげられるくらいの親子関係ならば、子供たちが完全に追いつめられる前に何かしてあげられるはずです。
最近中学生に多くなってしまった少年犯罪も、親が関係している事件が多くあります。勉強しろとうるさかったから親を殺した、などと供述している中学生のことを、ばかげていると思った人も少なくはないと思います。確かに、殺人は人として一番犯してはいけない罪であり、それが良い事とは少しも思いません。しかし、うるさかったから殺した、と言っている中学生は、殺されてしまった親が今まで育ててきたのです。それなりの事情があったとしても、このような結果になってしまった以上、どこかで教育の仕方を間違えてしまっていたのかもしれません。だから、数々の少年犯罪の中でも、ほとんどが親に何か責任があるのではないかと私は思います。
ところが、実際ではあまり上手くいっていない家庭が多いと思います。私の家でも、二日に一度くらいは必ず親と言い合いをしてしまいます。親と子が対立するのは、当たり前のことだと思います。逆に、何も言い合わずにただひたすら無言で食事をしている様な食卓は、親にも子供にとってもすごく居心地が悪いと思います。最近では、このような「会話のない家庭」が多いのではないでしょうかそしてまた、一方的に、子供が話をしてこないから、などという理由で何も聞いてあげなかったり、子供は子供同士で何でもやっていくものだと思っていたりする親達がいると思いますが、本当は子供と関わるのが面倒で、理由をつけて子供から逃げているのではないでしょうか。そういった親だと、子供は学校や社会だけでなく家でも窮屈になり、追いつめられてしまうのです。もっと自分の子供を見てあげてほしいです。そうすれば、自殺や少年犯罪も確実に減ると思います。

この本も、あすかの母親の静代が、子供の頃に親から大切にされずに辛い経験をしてしまったため、自分の子供のあすかにも同じようなことをしてしまったのでした。静代も被害者でしたが、一番の被害者はあすかでしたあすかは声が出なくなったりしてとても大変な思いをしましたが、学校の担任の先生や祖父母、後には兄の直人にも助けられながら元気をとり戻していきました。こうして周りからの救いによって、最終的には母の静代にも一年後のあすかの誕生日に「ハッピーバースデー、あすか。」と笑顔で言ってもらえるようになりました。
このように、追いつめられている子供がいたら誰か一人でもその子のSOSに気付いてあげることで、その現状やその子の未来までも良い方向に変えてあげられると思います。
私も、友達などが困っていたら少しでも力になってあげられて、大人になったら子供たちのSOSにすぐ気付いてあげられるような人になりたいと思います。

引用元:[読書感想文・税に関する作文]
本の詳細:[ハッピーバースデー 命かがやく瞬間]

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