『バッテリー』part1 (約450字)

バッテリー メディア化作品(映画)

作者:あさの あつこ
イラスト:佐藤 真紀子

原田巧という主人公が小学校卒業後、母のふるさとである山間へ引越してそこの中学校に入学する間のわずかの期間の話です。
巧は天才肌の野球のピッチャー。その巧の野球に対する考え方が孤独で痛々しく、家庭でも少年期にありがちなとんがった態度をとっています。でも、山間で出会ったキャッチャー永倉豪は巧を包み込む温かさを持って、まっすぐに対してきます。
豪は巧の弟で病弱な青波にもその温かい風を当ててゆきます。かといって巧が大きく変化していくという、安易な定型の作品ではありません。周囲の人々の想いを感じながらも、野球への自信を保とうと抗います。若い気持ちが清新です。
文庫本のあとがきに著者がこの作品を書き上げた意図を記してあったのですが、 そこまでの覚悟で書き上げたのかと感激しました。『自分を信じ、結果のすべてを引き受ける。そういう生き方しか出来ない少年をこの手で、書ききってみたかった』とあります。
少年のひたむきさ・一途さ・孤独・・それはとりも直さず著者のこの作品に賭ける想いと重なるようです。
これからの展開が楽しみです。

引用元:[みんなの読書感想文]

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