バッテリーというのは、野球で、一組みのピッチャーとキャッチャーのことです。このことを知っていたぼくは、「バッテリー」という題名をみて、野球の話だろうと思いました。
この本の主人公の原田巧は、他人と慣れ合ったり、頼り合ったりするのがきらいな少年です。ぼくも、同じくらいの年なので、そんな気持ちが分かったりもしました。ぼくも、巧と同じく、野球が好きです。小さいころから、よくしていました。最近でも、プロ野球の試合を見に行きます。きっと巧も野球のことが大好きなんだろうと思います。巧は、野球チームのエースでした。自分の球をとってくれるキャッチャーもいました。それなのに、父の仕事の都合で引越しすることをあっさりと決めてしまいました。ぼくなら、そんなにいい環境にめぐまれているのだから、そう簡単には決められません。親の言うことを受け入れる、巧の素直なところがすごいと思います。その性格のおかげで、引っ越し先でもみんなから好かれます。でも、他人と慣れ合わないので、少しもったいないです。
ぼくと巧の共通点は、まだあります。それは、弟がいることです。作品中に「青波(巧の弟)のことを何も知らなかった。知ろうともしなかった。」と記されていたのをみると、ぼくは本当に弟のことを知っているのだろうか、ぼくの知らない弟はいるのだろうか、と心配になってしまいました。六年生になってから、習い事も増え、弟だけでなく家族と話す時間も減りました。その間に、家族は何をしているか、何を考えているかは全く分かりません。だからこそ、いっしょに居るときは、できるだけ、家族と話をしようと思います。そうすれば、家族のことをもっと知ることができるはずです。
ぼくは、「運命の出会い」というものをしたことがありません。一方、巧は大きな体のキャッチャー、豪と「運命の出会い」を果たしました。さらに、二人なら「最高のバッテリー」になれる、とまで感じていました。他人と慣れ合うのがきらいなはずの巧がそんなことを想うとはまさか思いませんでした。
「運命の出会い」とは何なのか。ぼくは考えました。「運命」というくらいなので、めったにない、何か特別なものだという印象がありました。しかし、実際には、特別ではなく、身近なものだと考えました。ぼくは、小学校に入学して、先生や友だちと出会いました。たくさんの先生の中では、教え方はちがいます。そのため、先生の教え方で将来が少し変わってくるのです。つまり、人生の中で全ての出会いが、自分の運命を変える、「運命の出会い」だということです。
ぼくは、この本を読まなければ、ずっと家族のことを知らないままだったかもしれません。「運命の出会い」とは何なのか分からないままだったかもしれません。原田巧の生き方をみて、たくさん勉強になりました。この本との出会いも、ぼくの運命を変える、「運命の出会い」でした。